母のバラ 

患ってていた父が亡くなりました。

余命宣告されておりましたのですが
この急変は予想しておりませんでした。

慌ただしく過ぎた9月、
流されるようで
記憶があいまいになっています。

ふだん、お葬式にはあまり参列することがないのに
今回は喪主です。


遠方に住む娘ですので
父には申し訳ないけれど
簡素な葬儀になりました。

すべてがわからないことだらけ、
親戚にアドバイスをもらいますが
決定は自分がしなくてはなりません。

12月に祖母を見送った父は
ひとりでこれをやったのだと思うと
大変さを改めて感じ入りました。

独り暮らしの父を支えてくださった方々には
感謝の言葉も見つかりません。
この数年は
遠くに嫁に来てしまったことを
後悔では無いけれど
それに近い思いを持っておりました。

母が亡き後
娘たちに余計な心配をかけないようにすることだけを考えていたような父でした。

スカイツリーを見ることや
目前に迫った孫の結婚式に出ることを
心の支えにしていたのでしょう。

様子をみにいくたびに
ついつい叱りつけたりキツイことを言ったり
ひどい冷たい娘でした。

ここで急変したのも、
心配しながら結婚式を行うことを
案じてさけてくれたのかと思います。

昔から
人に気を遣うことばかりで
それが弱い人に思えて気に障ることもありましたが

人様に迷惑をかけないようにとの思いなのだろうと
やっとわかるようなダメなむすめです。

納棺の時
葬儀屋さんが用意してくれた花のほかに
庭に一輪残っていた
赤いバラを左の頬のそばに入れました。

母が好きだった、育てていた赤いバラです。
よくのこっていてくれました。

がんばったね、って
見守ってくれてるように見えました。



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